HAL医療用下肢タイプ(一般名:生体信号反応式運動機能改善装置、以下HAL)は、疾患により傷害された歩行機能を改善するための医療機器です。HALは装着者の生体電位信号に基づいて、歩行をサポートし、装着者は感覚フィードバックを得ながら歩行運動を繰り返すことで治療効果が得られます。HALは、世界で初めて医療保険の適用が認められたロボット治療機器であり、日本では緩徐進行性の神経・筋8疾患において有効性と安全性が検証され*1、2015年に医療機器として承認されています。米国など多くの国では、脊髄損傷や脳卒中(日本では未承認)などの治療にも承認されています。
疾患、個人により症状や進行速度は様々ですが、これまで、症状を改善させる方法はなく、次第に歩行機能などは衰える他ありませんでした。下の比較図を見てみましょう。
HALは取得した生体電位信号と重心や関節角度などの運動情報を瞬時に処理し、自然なタイミングでパワーユニットを駆動させアシストします。
脳から始まりHALのアシストを介して脳へと戻るインタラクティブなバイオフィードバック(iBF)ループ(※)を構築し、低い運動負荷で繰り返し運動することで、適切な脳神経系の繋がりが強化・調整されていきます。
これまで、有効な治療法がないとされてきた難病の患者様に、希望を持っていただける治療法となりました。
[参考]